会社を作ろうと思い立ったものの、「何から始めればいいの?」と感じる方は多いでしょう。一生の間に何回も会社を作ることは少ないと思いますし、会社を作るのに慣れていないのはある意味当然と言えます。

この記事では、会社設立の基本をやさしく整理し、最初に知っておきたいポイントを5つにまとめました。難しい専門用語はなるべく避け、初心者でも全体の流れがつかめるように解説します。

1. 「会社を作る」とはどういうこと?

「会社を作る」とは、法律上の手続きを経て「法人」という新しい人格(法人格といいます)を作ることです。

これにより、個人ではなく「会社名」で契約や取引ができるようになります。例えば、「株式会社〇〇」を設立すると、その「株式会社〇〇」が銀行口座を持ち、取引先と契約を交わし、税金を納める主体になります。

会社を作ることによって、個人事業主よりも社会的な信用が高まり、ビジネスチャンスが広がったり、資金調達がしやすくなったりするメリットがあります。

一方で、会社の設立時に費用や手間が掛かるだけでなく、設立後の会社の運営にも費用や手間が掛かり、赤字でも法人住民税を納める必要があるなどのデメリットもあります。

会社設立はメリットとデメリットを比較検討したうえで、将来の事業目標や計画に合うように決めるのが良いでしょう。

2.どんな種類の会社を作れるの?

会社の種類には、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社という4つの種類がありますが、現在の中小企業で多いのは、以下の2種類です。

  • 株式会社
  • 合同会社(LLC)

株式会社のメリット・デメリット

一般的に株式会社は合同会社よりも知名度が高く社会的信用も高いというメリットがあります。そのため「信用を重視したい人」に向いています。また、設立後の資金調達も株式を発行することで出資を受けることができますし、金融機関からの融資も、社会的信用の高さから合同会社と比較すると受けやすいと言われています。

一方で、株式会社は設立と運営に手間と費用が掛かるというデメリットがあります。設立時には、会社の基本ルールとも言われる「定款」について公証役場で認証を受ける必要があり、手間や費用が掛かります。また、登録免許税も合同会社より高くなっています。設立後は毎年の決算公告が義務付けられていたり、会社の意思決定を行う際に株主総会を開催する必要があるなど、会社の運営にも手間と費用が掛かります。

合同会社のメリット・デメリット

合同会社は株式会社と比較して設立時の登録免許税が安く、定款認証も不要であるため設立費用が抑えられるというメリットがあります。また、出資者=社員であるため、株主総会などは不要で、スピーディーに会社の意思決定を行うことができます。決算公告も義務付けられていないため、会社の運営も株式会社よりは手間や費用が掛からずに済みます。

一方で、合同会社は資金調達の面では不利と考えられます。株式を発行して出資を受けることができず、株式会社より社会的信用が低い傾向にあることから金融機関からの融資の審査が通りにくいと言われています。また、合同会社では出資者である社員が対等な意思決定権を持っているため、社員間で意見が対立した場合に合意形成に時間が掛かる可能性があります。

株式会社と合同会社のどちらを選ぶかは、中長期的な会社の事業内容や規模などを想定し、どちらのどのようなメリットを追求するのか、どのようなデメリットを回避するのかを検討する必要があります。

3.設立までの流れをやさしく解説

会社設立の流れは、株式会社と合同会社で多少異なるところもありますが、大きく分けると以下の5ステップです。

ステップ内容
商号(会社名)・所在地・事業内容を決める
定款(会社のルール)を作る
資本金を払い込む
法務局で設立登記申請する
設立後の各種届出を行う

① 商号(会社名)・所在地・事業内容を決める

法律では同じ名前で同じ所在地に本店を置いた会社は作ることができません。所在地が異なれば同じ名前の会社でも作ることができますが、例えば既に有名な企業と同じ会社名を付けたりすると、不正競争防止法に違反する可能性があります。また事業内容は、合法的なものである必要がありますし、許認可が必要な事業は無許可で行うと違法になりますので注意が必要です。

② 定款(会社のルール)を作る

定款には、商号、所在地、会社の事業内容の他に、役員とその任期、事業年度、株式会社の場合は株式や株主総会について定める必要があります。一度作成(認証)を受けた定款の内容に変更が生じた場合は、定款変更の手続きが必要になり、手間と費用が掛かりますので、慎重に作成することが望まれます。

③ 資本金を払い込む

会社設立の発起人名義の口座に資本金を払い込みます。発起人が複数いる場合は、代表の発起人の口座に払い込みます。資本金として払い込む額は準備段階で事前に決めておく必要があります。

資本金は1円でも会社設立は可能ですが、資本金は会社の運転資金になるものであることに加え、対外的な信用の関係から一般的には300万円~500万円が目安と言われています。なお、建設業において一般建設業許可を受ける場合は、500万円が最低限必要となります。

④ 法務局で設立登記申請する

設立登記申請書を作成して関係書類とともに法務局に提出します。登記申請は会社の代表者が行いますが、専門家である司法書士に依頼するのが安心でしょう。なお、登記申請日が会社設立日になりますので、希望する会社設立日がある場合には考慮しておく必要があります。

⑤ 設立後の各種届出を行う

会社設立後は、法人設立届出書など税金関係の手続きや社会保険・労働保険関係の手続きが必要になります。税金関係の手続きは税理士に、社会保険・労働保険関係の手続きは社会保険労務士に、それぞれ依頼することになります。

以上、簡単に会社設立の流れを説明しました。行政書士は、②の定款作成や電子定款認証(株式会社の場合)などをサポートできます。定款は「会社の憲法」とも言われるものですので、ここを適切に進めることで、全体の流れがぐっと円滑になります。

4.どんな書類が必要になる?

会社設立では、

  • 定款
  • 登記申請書
  • 代表者印の印鑑証明書
  • 資本金を払い込んだ通帳のコピー

など色々な書類が必要になります。

書類の形式や記載内容などに不備があると、やり直しになることもあります。また、定款については事業に必要な許認可や事業目標と合っていないと後々変更が必要になり余計な手間と費用が掛かる可能性があります。

行政書士はこれらの書類を正確に整え、司法書士や税理士、社会保険労務士と連携して、スムーズな設立を支援します。

5.行政書士に頼むメリットとは?

会社設立の書類は細かいルールが多く、初めての方が独学でやると時間がかかることがよくあります。ただでさえ起業の準備でやらなければならないことが多い中で、会社設立の手続を自分で行うのはあまり効率的とは言えません。

行政書士に依頼することで、

  • 定款を電子化して印紙代(約4万円)を節約できる
  • 必要な書類を正確に作ってもらえる
  • 手続きの流れを整理してもらえる

など、安心して本来の起業準備に集中することができます。

また、行政書士は事業で必要な許認可申請、補助金申請など、会社設立後の経営をサポートする業務も行っていますので、会社設立段階からそれらを考慮したアドバイスを受けることができます。

まとめ

会社を作ることは、人生の大きな節目でもあります。

最初の一歩でつまずかないためには、「全体の流れを知ること」と「専門家に早めに相談すること」が大切です。

結城行政書士事務所では、初めての方にも分かりやすく、安心して会社設立が進められるよう丁寧にサポートいたします。

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